顧客の消費行動のフレーム(まとめ) | ★プランナーズノート★

顧客の消費行動のフレーム(まとめ)

お客様のことを知ることでマーケティング施策を考える。
従来の企業主導のプロダクトアウト型の施策では、通用しない
時代が来ていることは皆様もお気づきのことだと思います。

「お客様のことを知る」といってもなかなか難しいのも事実です。
そういったときに役立つのが、フレームを使って考える手法です。
一般的な顧客の購買行動を知り、それに当てはめて考えることが
近道となります。

顧客の購買行動の大きなフレームですが、

1.見込み客で商品やサービスの存在に「気づき」その必要性を
  認識する。

2.買う気になった顧客が、他の選択肢に関する情報を収集する
  という「検討」の段階。

3.顧客は他の選択肢と比較し、商品を「選択」する。

4.顧客は「購入」する場所と方法を決定する。

5.顧客はアフターサービスも必要か、再びその企業の製品を購入
  する可能性があるかを検討する。


といった5つの段階に分けられます。

よくAIDMA(アイドマ)の法則と言われるフレームが持ち出されます
が、このフレームでは、商品を買うところまでしか分解できません。
アフターサービスも含めた一連の体験も商品として購入している
という考えから、僕はこのフレームはあまり使っていません。

※ちなみにAIDMAは以下です。
●Attention(注意)
● Interest(関心)
● Desire(欲求)
● Memory(記憶)
● Action(行動)

それでは次回より、もう少し詳細に消費行動について見ていってみま
しょう。

--
1.見込み客で商品やサービスの存在に「気づき」その必要性を
  認識する。


  商売をしている場合、その商品がお客様に「気づいて」もら
  えないと、商売のステージにさえ乗ることができません。
  いわゆる、「認知促進」、「プロモーション」の段階です。

  プロモーションと聞いてパッと思いつくのはCMなどのマス
  広告を使った大々的なモノだと思うのですが、莫大な費用が
  かかりますね。

  マス広告というのは、顧客を大きく捉えそこへ一気に露出す
  る、言い換えれば「網を使って魚を捕る」ようなものです。
  どんな魚(顧客)が入っているか、網を引き上げてみないと
  わかりません。

  逆に、僕の考える認知促進はターゲットを明確に捉えます。
  
  「その商品のターゲットは、普段どんな消費行動をして
   いるのか?」

  「その商品のターゲットの普段の情報収集ルートは?」

  そういった点を見ていくと、自然と認知促進の為に必要な
  施策は絞り込めてきますね。ウェブで情報を収集する習慣
  のある方がターゲットになれば、ウェブに露出をすればい
  い。雑誌から情報を収集するなら雑誌にといった具合に、
  ターゲットの普段の消費行動(ライフスタイル)から
  認知促進の施策を決めていくというアプローチです。

  これは、「竿を使って魚を釣る」というイメージですね。
  竿を使って魚を釣るなら、釣りたい魚がいつどこにいて
  どんな餌を好むのか、餌の食べ方は?といった情報があれば
  あるほど釣れる可能性は高まります。それと同じだとイメ
  ージしていただければと思います。認知促進は釣りたい魚
  のいる場所に糸をたらす行為に似ています。


  認知促進の施策としては、「紹介(クチコミ)」というのも
  非常に有効な手段なのですが、それについてはまた今度。
  
2.買う気になった顧客が、他の選択肢に関する情報を収集する
  という「検討」の段階。



  「検討」の段階では、顧客のニーズとウォンツという話が
  出てきます。

  商品の特性にもよりますが、「商品が故障した!」などの
  急を要する場合はそのニーズを解決できる!という問題解決
  (ソリューション)系の情報提供
がいいでしょう。
  そういった明らかにニーズの明確な顧客に対しては、
  検討の段階で「その問題を解決できる!」というイメージが
  提供できれば勝ちです。
  魚に言い換えれば、お腹の空いている魚に「これは餌だ」と
  ちゃんと認識してもらう「これを食べればお腹がいっぱいに
  なる」と思ってもらえる情報を提供するということになりま
  す。

  逆にウォンツの方は「なんとなく良くしたいなぁ」という
  顧客です。別に今の生活に満足しているけど、もっとよくなる
  なら・・・という状態です。そういった顧客には「この商品で
  今の生活がこのくらいよくなりますよ」という提案型の情報
  がいいでしょう。
  魚に例えると、「この餌を食べるとすごくウロコがピカピカ
  になりますよ」と別にお腹の減っていない魚に「それなら」
  と思ってもらえる情報を提供することになります。   

3.顧客は他の選択肢と比較し、商品を「選択」する。

  「選択」の段階では、競合他社との競争です。
  前回、ターゲットのいる場所へ糸をたらしました。
  
  魚はお腹がいっぱいでは餌を食べません。
  また、隣により魅力的な餌があれば、そちらを食べます。
  
  「選択」の材料はたくさんあります。
  商品そのものだけではなく、商品のブランドや企業背景、
  ショップの雰囲気や店員の対応、品揃えやアフターサービ
  ス、商品のパッケージなども入ってくるかもしれません。

  そういった検討材料は想像していてもわかりません。
  実際に店舗へいってお客様が比較しているところを観察し
  てみましょう。
  また、直接購入したお客様へ聞いて見るのもいいですね。

  聞くことは簡単です。

  「今までうちの商品を購入する際、
   うれしかった体験は何ですか?」

 
  そうです。購入者に対して自社の強みを聞くのです。
  自社の強みを知ってそれを徹底的に伸ばす。
  それが費用対効果のいい、手っ取り早い方法です。

4.顧客は「購入」する場所と方法を決定する。

  「選択」されれば、あとは「購入」するだけです。
  ここで注意が必要なのは買い物というのは「そもそも
  楽しいモノ」
であったということです。

  ぶらぶらウインドウショッピングをして、今まで見た
  ことも無かった新しい商品に出会ったときの喜び、
  それを購入した時の喜び、雰囲気のいいショップで
  買い物をするという行為自体も喜びです。

  最近ではインターネット通販が多くなってきています
  が、ショッピングの楽しさが抜けているのも確かです。
  新しい技術で効率化を図るのも大切ですが、ショッピ
  ングの本質は外してはいけません。

  僕達マーケターがするべきことは、どんなチャネルで
  購入するにしても、その購入する瞬間にどれだけ
  「楽しさ」、「喜び」そして「驚き」を提供できるのか
  を真剣に考えなければいけないのだと思います。

  楽しい買い物ができれば、その顧客はまた帰ってきて
  くれます。
  
  魚の例に例えると、ぷりっぷりの生きた海老が針につ
  いているようなものです。(ちょっと強引ですか?)
  疑似餌じゃ、一度口にして疑似餌だとわかった魚は
  帰ってきません。

5.顧客はアフターサービスも必要か、再びその企業の製品を
購入する可能性があるかを検討する。


  商品にもよりますが、商売の基本は売ることです。(当たり
  前ですね!)その際にネックになるのが顧客一人が認知して
  購入に至るまでにかかるコストです。
  そうです。商売の基本は「出費を抑えて売ること」です。

  全くの新規のお客様を獲得する為のコストは莫大なものが
  あることはご存知ですね。チラシなどの反応は0.3%とも
  言われています。1000枚まいても3人ですよ!とてもじゃない
  けど効率がいい商売とはいえませんね。

  最も効率のよい商売は、一度購入してくださったお客様と
  永く付き合い、何度も購入してもらうことです。そして
  クチコミで紹介をしてもらうことです。


  僕達マーケターが考えなくてはいけないのは、商品を購入し
  たお客様が、「ずっと付き合っていきたい」と思ってもらえ
  るようにすることです。換言すればアフターサービスを受け
  たい!と思ってもらえるようにすることです。

  魅力的なアフターサービスを用意するのもよし、定期的な
  情報誌などをお届けするのもよし、アイデアはいくらでも
  膨らみますね♪

  魚の例に例えると、「新しいおいしい餌ができたらお知ら
  せするから食べに来てよ!」と餌を上手に食べて釣られる
  のをま逃れた魚に対してお伝えしているようなものです。
  ・・・わかりにくい例ですね。。。


いかがだったでしょうか?
顧客の消費行動のフレームと題して6回にわたってお伝えしてき
ました。とても基本的なことですが、とても重要なことばかりで
す。自社の製品やサービスに照らし合わせて、考えてみてくださ
い。ご意見、ご感想ありましたらお気軽にコメントくださいね♪
あ、「魚の例がわかりにくい」という点はお許しくださいね!